いま本格的で機能性に優れたSUVが求められている
新型RAV4は、タフネスをアピールするデザインだけでなく、ガソリン車に搭載される、世界初、新型RAV4のために開発された、後輪左右のトルクを別々に制御(0~100)するトルクベクタリングコントロールと、4WDを必要としない場面で後輪への動力伝達を切り離し、燃費を向上させるディスコネクト機構を備えた「ダイナミックトルクベクタリングコントロール」を含む3種類の4WDシステムを用意している。
また、2種類の4WDが用意されたガソリン車には、オンロード用のエコ、ノーマル、スポーツモードのほか、オフロード専用としてMUD&SAND、ROCK&DIRTのモードもボタンひとつで選べるようになっていたりする。悪路走破性のひとつの目安になる最低地上高は200mmとかなり本格で、ヒルスタートアシスト(全車)はもちろん、ダウンヒルコントロール(ガソリン車のアドベンチャーとG Zパッケージ)も完備するという本格具合である。
もちろん、新型RAV4はオン/オフを問わない走りの良さ、乗り心地の良さといったハイレベルな走行性能に加え、ヘルプネット=SOSコールを装備し、T-コネクトナビによるオペレーターサービスまで利用できる便利さ、コネクティッドカーとしての新しさも大きな魅力だ。
ハイブリッド車はミッドサイズのSUVとして驚異的な燃費性能を誇り(ゆったりとした高速走行中心で18km/L以上も可能)、なおかつ、AC100V/1500Wによる、車内外での家電品の使用、給電まで可能なのだから、アウトドアや災害時の強い味方になる点も見逃せないポイントとなる(日本は地震、災害大国でもある)。ある意味、SUV×ハイブリッドは、日本にとって最強、もっとも必要とされるクルマ、とも言えるのだ(2020年にはPHVも加わる)。
そうした、本格SUV、クロスカントリーの人気ぶりは、RAV4に限った話ではない。スズキ・ジムニーの超絶な人気ぶりや(ディーラーに聞いたところ、今でも仕様によって数カ月~1年待ちらしい!)、超本格クロスカントリーモデルのシープ・ラングラーが注目されている事実もある(日本カー・オブ・ザ・イヤー2019-2020 エモーショナル部門賞を受賞)。
そして、2019年末に発表された新型スズキ・ハスラーが、よりSUVらしいデザイン(リヤエンドはジムニーのように直立し、角張っているではないか)、キャラクター、4WD性能を備えて登場したのも、もちろん綿密なマーケティングによるものと想像でき、時代が、乗用車色の強いクロスオーバーから、雪国のユーザーならずとも、SUVを求めるユーザーが、より本格なSUV、あるいは、より本格な“モノ”、“機能”を求め始めていることではないだろうか。