現代のエアコンはロスを極力減らすよう制御している
だったら、最初から「A/C」オンでいいのでは? そう、じつはそれが正解。今のクルマはオートエアコンが当たり前。オートエアコンというのは、設定温度を保つように、送風の温度、風量、吹出し口の切り替え、そしてコンプレッサーのオン・オフを自動制御してくれるようになっている。
つまり、無駄にコンプレッサーを回し続けることはないので、燃費のために曇ったら「A/C」オン、曇りが取れたら「A/C」オフなんてことを手動でやるぐらいなら、オートエアコンにお任せしてしまった方がよっぽどいい。
しかも、コンプレッサーの仕事は気化した冷媒を圧縮し、高圧高温にすることで外気との温度差で効率よく液体に戻して再循環させること。夏と違い、外気が冷たい冬の場合はコンプレッサーに活躍してもらわなくても、冷媒がよく冷えるのでコンプレッサーの出番は夏の何分の一と格段に少ない。
つまり、エアコンの燃費に与える影響も最少で、冬場のエアコン利用による燃費への影響はほとんど考えなくてもいいレベル。またエアコンの冷媒には潤滑用のオイルも入っているので、これを季節に関係なくときどき循環させたほうが、エアコンの劣化やトラブルを防げるというメリットもある。カーエアコン最大手のデンソーも、「夏でも冬でも、空調は『A/C』オンのオートエアコンが基本」といっているぐらいなので、暖房もオートエアコンにお任せしよう。
なお、除湿防止のためにもエアコンは「外気導入」で使うといい。また、エアコンのフィルターもエアコンの効率に影響するので、1年もしくは1万kmごとの交換がおすすめ。小まめな交換で、カビや雑菌の繁殖も防げる。またシートヒーターやステアリングヒーターがついているクルマはそれらと併用して、エアコンの温度が高くならないように調整し、より快適な環境でドライブできるようにしてみよう。
頭寒足熱という言葉があるとおり、頭部まで温かくなるような室温にすると、頭がボーっとしてきたり、眠くなったりするので気をつけて……。