イギリスの名門は今では中国ブランドの傘下に
11月29日から開催された「バンコクモーターエキスポ2019」。タイでは毎年春に開催される「バンコクモーターショー」もあり、2回の大きな国際モーターショーが開催されている。
モーターエキスポは初めて訪れたのだが、現地の事情通によると、「今年は気合の入ったメーカーが多いようで、会場デビューモデルが多めですね」とのことであった。「東南アジアのデトロイト」などとも呼ばれるタイでは、日系ブランドが圧倒的なシェアを誇っており、人気も高い。当然モーターエキスポの主役も日系ブランドといっていいだろう。
ただそんな日系ブランドをじわじわと追い込もうとしているブランドがある、それが「MG」である。年配のクルマ好きなら、「ああ、イギリスの」となるかもしれないが、いまは紆余曲折を経て、中国上海汽車のブランドのひとつとなっている。
MGはタイに工場を構え、最初はコンパクトハッチバック「MG3」の生産および販売を始めた。その後はセダンとなるMG5、SUVのZS、GS、HSをラインアップし、2019年春のバンコクモーターショーではLCV(ライトコマーシャルビークル)ベースのMPVとしてMG80がデビュー。中国車お得意のBEV(純電気自動車)はZSに設定されている。
MGブランドでMPVまで出てきたときには驚いたが、これが「上海汽車でござ〜い」と直接アピールすれば、タイの消費者も「中国車?」となるかもしれないが、MGとなればその辺りの感覚を「薄める」ことに成功すると考えたようだ。