【購入後に後悔しても遅い!】新車を買う前にディーラー試乗で見なければならないポイントとは (1/2ページ)

気になる新車ということで浮かれて大事なポイントを見逃すな!

 新車の購入時、ショールームに出掛けると気分が高揚し、完全なるアウェー状態でもあることから、大切な何かをうっかり見落として、契約。あとで後悔する……なんてこともありがちだ。

 カタログでしっかり研究したつもりでも、クルマの機能や装備はさまざまで、グレードによって付く、付かないもある。なおかつ、試乗シーンでも、欲しいクルマのハンドルを握るうれしさのあまり、大切なポイントを見落としがちになったりする。ここでは、欲しいクルマがある程度、絞れてきていると仮定して、グレード選びやショールームでのチェックポイント、そして試乗時の注意点などを紹介したい。

 まず、同じクルマでも自身、家族が必要な仕様・装備をしっかり決めておくことが大切だ。今では先進運転支援機能などはほとんどのグレードに付いているが、衝突被害軽減ブレーキは必須。何しろ2021年から装着が義務づけられるからだ。運転初心者、シニアドライバーなら、前後のアクセル踏み間違い衝突防止機能もあると安心。それも動力を抑制するだけのものと、ブレーキ機能まで付いているクルマもある。

 一例を挙げると、ダイハツ・ロッキーとトヨタ・ライズは兄弟車だが、見た目だけではなく、先進運転支援機能に差があるので注意したい。ロッキーは全グレードに先進運転支援機能のスマアシが付くものの、ライズの最廉価グレードのXには、あろうことか、スマアシレス、衝突被害軽減ブレーキなどが一切付かないのである。まさか、セールスマンも薦めてこないと思うが、念のため。

 高速走行、長距離ドライブの機会が多いなら、ACC(アダプティブクルーズコントロール)もあると便利。ペダル操作によるストレスが軽減され、より快適に長距離ドライブが楽しめるのだ。ただし、同じACCでも渋滞追従機能付きがより便利。そもそも、ACCのありがたみをより強く実感させてくれるのが、高速道路での渋滞時だからだ。このあたりは、カタログでは100%わからないこともあるので、ショールームで確認したい。

 たとえば、ACC以上の機能を持つ先進運転支援機能に、日産のプロパイロットがある。だがデイズの場合、プロパイロットエディションが選べるのはハイウェイスターのみ。標準車の最上級グレードを買ったとしても、絶対に付かないのだ。試乗したデイズがハイウェイスターで、プロパイロットスイッチが付いているのを確認。しかし、買ったのは標準車。てっきり付いていると思ったのに、では遅い。フロアマットなどと違い、あとで付けることは絶対にできないのである。

 そして、ショールームでは、運転席ばかりに座りがちだが、ファミリーカーとして使うなら、助手席(奥さまチェック?)、後席の乗降性、シートのかけ心地、頭上や足もとの広さ、ラゲッジフロアの高さ/広さ/床下収納の有無、使い勝手などもチェックしたい。あとで家族から、後席に乗りにくい、後席が狭い、ラゲッジが使いにくい……などのクレームを出されたらたまらない。できれば家族全員でショールームを訪れ(せめて財布のひもを握っている奥さまだけでも)、評価を聞きたいところだ(そんなことをすると、欲しいクルマが買えないデメリットもあるが)。

 意外に見落としがちなのが、スマホの置き場と充電環境。最新のクルマはディスプレイオーディオ仕様だったりして、ナビなどの機能がスマホ接続前提だったりするが、そのスマホの置き場と充電機能に納得できないと、かなり使いにくいクルマになってしまう。花粉症の人なら、ティッシュボックスの置き場も要チェック。シートや床にしか置けないと不便極まりない。デイズや三菱eKクロスは、助手席前の引き出し式トレー内にティッシュボックスがすっきりと収まるから便利だ。そうした利便性では、軽自動車が優れている。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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