【メーカーエンブレムを隠してでも売りたい!】日本車が圧倒的に強いタイ市場を狙う中国メーカー (2/2ページ)

市民権を得たブランドであっても全面アピールは難しい?

 BYDならば、すでに日本でも路線バスなどで販売実績もあるので、タイでもそのままBYDブランド車としても大丈夫のような気もするが、やはり前述したタクシードライバーのようなイメージを中国製品に持つひとが多いのかもしれない。

 タイ在住経験の長い人によれば、「以前よりもタイに住む日本人のプレゼンスは下がっています。昔ほどタイ人も日本人をリスペクトはしていませんよ」という。日本の国力(または日本企業の優秀性?)のようなものが数十年前に比べれば明らかに低下しているなかでも、自動車以外でも東南アジアにおける日本製品への絶大ともいえる信頼感は依然として高いレベルを維持している。

 そのなかでは、たとえBYDであっても、いきなり中国ブランドを前面に押し出してのプロモーションはリスクが高いと考えて、今回はバッジを隠したのかもしれない。

 日本車のレベルがどうなっていようが、圧倒的な販売シェアを支える強固な販売ネットワークなどが整備されている状況下では、中国ブランドは“EVでは進んでいる”としても、政府の電動化への強い方針転換などがない限りは、日本車のシェアを崩すことは、かなりの体力と時間のいる話。ただ、そんな日本車の“サンクチュアリ”といえるタイ市場で、中国車は着々と販売実績を増やすべく、知恵を絞っているのも確かな話である。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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