【なぜメーカーは新車状態でツライチにしない?】フェンダーとタイヤのすき間が大きいクルマが多いワケ (2/2ページ)

チェーン装着にはタイヤとフェンダーの間にスペースが必要だ

 そしてもうひとつの大きな理由が、チェーンの装着だ。スタッドレスが主流と言ってもチェーンを装着する可能性はある。チェーンを付けるのにはかなりのスペースを必要とするので、フェンダーぎりぎりだと当たってしまう。付けた上でサスペンションがストロークすることを考えると、スペースに余裕のある内側にタイヤを配置しないと当たってしまうのだ。

 ストロークに関してはチェーンを装着しない場合でも配慮されていて、ドレスアップではフェンダー内側のツメを折って当たらないようにするものの、純正では内側に飛び出た状態だ。フルバンプしてタイヤが上に上がった場合でもホイールハウス内に当たらないようにするには、やはりツライチでは危険(ツメに当たってバーストするなど)で、内側にタイヤを置くほうがリスクは少ない。

 そのほか、手が入れやすくてタイヤ交換がしやすいなど、細かいポイントも含めて社内規定は決められている。最近では昔よりも手前に出ているが、それでもフェンダーとの同一面よりけっこう奥にあるし、メーカーとしてはツライチにすることは安全面などを考えると今後もないだろう。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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