グッと押し出す感覚は大排気量ならでは
トルクが太いと発進時に回さなくてもいいので、すっと前に出られる。その後の加速も同様だし、巡航時はゆるゆると低回転を保てるのでラク。そしていざというときアクセルを踏めば、太いトルクを活かしてドンと背中を押してくれる。アメ車でいうと、往年のV8のイメージだ。
ターボのような鋭いパンチ力というよりも、全身に力を込めてグッと押し出すような感覚は大排気量ならでは。小排気量だと、トルクは細いので力強く押すような感じではない。高回転まで回して力を出していく感じになるのは仕方がなく、ゆったり感はなくなってしまう。
6リッター超えのアメ車は極端な例かもしれないが、日本車でもたとえばトヨタのアルファード、ヴェルファイアの人気を支えるのは3.5リッターV6で、オーナーに聞くと「力があるからストレスがなくていいし、いざとなると速い」という声がよく返ってくる。これは36.8kg-mというかなり太いトルクのおかげ。2.5リッターの直4は3分の2となる24.0kg-mなので、その大きさがわかるだろう。
排気量が大きいというのは、燃費、環境性能において絶対的に不利な部分もあるので、今後は減っていくのは確実。今のうちに楽しんでおくものなのかもしれない。維持費はバカ高だが……。