日本のクルマが遅れてるなんて誰が言った! 世界をリードし多大な影響を与えた国産車の技術5選 (2/2ページ)

軽量化技術やカーナビなどを実現したモデルも!

3)1990年 軽量化の新世界を開いたアルミモノコックボディ(ホンダNSX)

 ホンダのスーパースポーツ初代NSXはエブリディスーパーカーとして、日常的に使っても困ることのないスポーツカーという新しい価値を提供した。その価値観に他社も追随したことでスーパースポーツが日常的に使えるようになったという点でエポックメイキングだが、テクノロジー面ではオールアルミモノコックボディの採用もインパクト大だった。

 その後、オールアルミボディはスーパースポーツでは当たり前のテクノロジーとなっていくが、モノコックよりもスペースフレーム構造のほうがアルミという素材が持つ特性を活かせると考えたメーカーもある。現在ではアルミ、ハイテン、カーボンなどを適材適所で組み合わせたマルチマテリアルボディが多くなっているが、NSXのオールアルミモノコックボディは、そうした技術のルーツ的存在といえるだろう。

4)1985年 アクティブ四輪操舵「HICAS」(日産スカイライン)

 日産スカイラインといえば、最先端の技術を投入されるテクノロジーショーケースというキャラクターも持っているが、7代目スカイラインに採用された「HICAS」は、世界初のアクティブ四輪操舵(4WS)といえるものだった。4WS技術はいったん途絶えたようにも思えたが、現在ではポルシェやルノー、ホンダなどがスポーツカーやハイパフォーマンスモデルに採用するなど復活を遂げている。

 ただし、日産の初代HICASはセミトレーリングアームを支えるクロスメンバーそのものを油圧アクチュエーターで動かしてしまうというもので、作動するのは同位相方向のみ。高速コーナリングでの安定性を高めるのが目的だった。その後、8代目スカイラインなどに採用された「スーパーHICAS」は逆位相にも後輪をステアできるシステムへと進化した。

5)1981年 エレクトロ・ジャイロケータ(ホンダ・アコード/ビガー)

 軽自動車まで当たり前の装備として普及したカーナビゲーションシステム。そのルーツといえるのがホンダの「エレクトロ・ジャイロケータ」だ。現在のGPSとデジタル地図を使っているシステムに比べると、地図はシートタイプを手動で差し替えるタイプ(もちろん縮尺変更などできない)であるし、自車位置についてもジャイロセンサーと距離(速度)センサーを利用したものなので精度は比べ物にならないが、地図型ナビゲーションシステムを世界で初めて車載したことで、こうしたカテゴリーへの投資を促したという点では歴史に残る技術といえる。

 現在のナビゲーションシステムでもGPS信号のとれない状況においては進行方向と速度という2つの情報から位置を補正しているが、そうして面では技術的にもつながっているのが「エレクトロ・ジャイロケータ」だ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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