新車が登場しても先代モデルも販売! 中国で新旧モデルの併売が成り立つワケ (2/2ページ)

最近は旧型ガソリン車より新エネルギー車の流れに変わりつつある

「経典」モデルの存在は、所得の高い沿岸都市部と内陸部ではその意義が、とくに過去では大きく異なっていたと聞いたことがある。

 裕福な沿岸都市では、経典モデルは、法人営業車や場合によってはタクシーなどの「フリート販売」向けや、割安で買える新車を探している層(ファーストマイカーなど)へ向けて設定されていたという。

 そして以前は、内陸部と沿岸都市との所得格差がいま以上に開きがあった。そのため内陸部では一部の富裕層以外は、欧米や日本とほぼ同タイミングで中国市場においてデビューした最新型は価格が高く手が出ないので、経典モデルが販売のメインとなっていたというのである。

 また昔は内陸部では不正ガソリンがかなり出まわっており、最新技術が採用されたエンジンではセンシティブ過ぎて故障してしまうということもあったようだ。

 沿岸都市と内陸部の格差是正が進み、さらにいまの中国では、EV化やコネクティビティの進化スピードが早い。さらに中国車に限れば新規プラットフォームや新規エンジンなどの開発にも、欧米や日本メーカーなどよりかなり積極的だ。加えて継続販売車の見劣りが激しいこともあり、昔ほど新旧併売が目立たなくなっているように感じる。

 もっとも政府は、BEV(純電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド)、FCEV(燃料電池車)を、「新能源車(新エネルギー車)」として、その普及に積極的だ。補助金やナンバー発給規制地域での規制対象外(すぐナンバーが取得できる)などがあるので、「旧型ガソリン車より新能源車」という流れが最近ではもっともなこともあるのかもしれない。

 タクシーについては、EVだろうが、ガス燃料車だろうが、型落ち車やご長寿系モデルがベースとなっているのが大半のように見受けられる。気になるのが、中国では「シルフィ クラシック」と呼ばれるモデルが、日本市場ではマイナーチェンジもせずに販売が続けられているという点。日本が見捨てられているような気分を受けてしまう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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