巨大市場の中国ではやっぱりEVが主役! 遅れをとっている感が拭えない日本メーカーへの不安 (2/2ページ)

レクサスブランドもついに市販EVを中国で発表

 もちろん政府のNEV規制を睨んだ動きもあるし、筆者が見た感じでもNEVが増えているといっても、街なかはタクシーやライドシェアのBEVばかり。純粋な個人需要で見れば、思ったよりはその普及スピードが緩やかに見えるので、生産する広州汽車側にも広汽豊田への供給はメリットがあるように見える。

 今回は広汽豊田が展示ブース設営などについて主体的に行ったとのことなので、やむを得ない展示レイアウト(iA5メインの展示)となってしまったのかもしれないが、日本的に言えばトヨタブースにパッソなどのダイハツからのOEMがメインに展示されているようなもので、初めて見たときには、なんとも言い表わせない違和感を覚えた。

 しかもAion Sのほうではあるが、すでにタクシーやライドシェアのクルマとして、広州市内でも数多く走っており、iA5がフリート販売を熱心にやっているわけではないが、その兄弟車の様子を見ると、カムリをフォローできるようなステイタスは望めそうもない。

 今回の広州ショーでは、レクサスUXのBEVが披露されて話題となっているが、中国市場での発売は2020年春を予定しているとのこと。いままでは中国の政策に割と静観を決め込んでいた欧米ブランドも、今回のショーでは積極的にBEVを用意してきた。やはり、技術的には市販レベルのものを持っており、あくまで静観を決め込んでいただけのようである。

 日本にいると実感が沸かないだろうが、どのような形にしろ、中国の都市部では、政府の思惑は別としても、日本とは比較にならないスピードで新能源車、とくにBEVが増えてきている。何も知らなくて勝手に不安に思っているだけならそれで構わないのだが、ただでさえ中国や欧米ブランドに比べてトレンドの古さも目立っていたので、中国にきてみると「日本メーカー大丈夫かなぁ」と不安になってしまう筆者であった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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