MTは難しい操作を習得することに価値がある!
運転を補助してくれるハイテク系のデバイスは、安全運転やドライバーの疲労軽減効果、また加齢などによるドライバーの能力の低下を補ってくれる大変有効な装備としては素晴らしい。これらの装備によって多くのドライバーが助けられているのは間違いない。
しかし、運転技量を少しでも高めたい、クルマとの対話をより深めたいなどと願うクルマ好きや運転好きにとっては、これらに頼りすぎるのはいかがなものか? と思えるものであることも確かだ。あれば便利で助かる。だけど、これらに頼らず運転が上手くなりたいから要らない! と言いたくなる装備を2つ挙げてみた。
1)勝手にブリッピング
MT車のなかには、シフトアップ/ダウン時に自動的にエンジン回転を合わせてくれる機能を備えたものがある。代表的なのは、現行型フェアレディZに採用されたシンクロレブコントロール、カローラスポーツのiMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)で、機能的には文句なしに便利。どんな状況でも正確、かつ精密にエンジンの回転合わせをしてくれる様子は、多くのMT派ドライバーも感動必至だ。MTの運転に自信のない初心者の後押しにもなるなど、MT市場の活性化への貢献も見逃せない。トヨタのiMTには「エンストしにくいMT」としての側面もあり、ベテランドライバーにとってもありがたく思えるものもある。サーキット走行時に使えば、これだけでタイムが上がる効果も得られるだろう。
だがしかし、これに頼り続けていると、MT派のドライバーとしては忸怩たる思いに苛まれるようになり、やがて「これならもはやMTでなく、ATで良い」と思ってしまう悲しさがある。やはり、シフトチェンジをスムースに行うことはMT運転の醍醐味のひとつだし、MT派のドライバーにとって、運転と向き合うための重要な場所でもあるので、それを奪われるのは悲しいのだ。