レースでは常識の「タイヤは温まらないとグリップしない」は市販車にも当てはまるのか? (2/2ページ)

外気温が7度を下回るとグリップが悪くなる!

 一方、普段の街乗りではそれほど意識できないかもしれないが、寒いときや、タイヤが冷えてしまっているときはじつは驚くほどグリップは低い。冬場にジムカーナ場などを走ってみると体感できるが、温まってないときのタイヤは、本当にグリップしてくれない。それが少し走り込んでタイヤが温まってくると、同じタイヤとは思えないほど喰いつきがよくなってくる。

 こういうタイヤが温まっていないときに、タイヤに大きな負荷をかけ、タイヤを鳴かすような走りをすると、ゴムがまだ固いので、ブロックが飛んでしまったりするので要注意。市販のラジアルタイヤといえども、冬場はエンジンやミッションの暖機も兼ねて、じっくりウォームアップしてあげるのが大切だ。

 それとは別に外気温の変化にも気をつけてほしい。レースでは途中で雨が降ってきた場合、ドライタイヤからレインタイヤに交換する基準のタイムがあって、それをクロスオーバー(タイム)というが、市販車のタイヤの場合、外気温でそのクロスオーバー(テンプ)が決まってくる。

 じつはサマータイヤは、一般的に外気温7度以上での使用を前提に作られている。そのため、外気温が7度を下まわると途端にグリップが悪くなり、ドライ路面でもスタッドレスやオールシーズンタイヤのほうが頼もしくなる。さらに、外気温=路面温度ではないので、外気温が3度以下になると、路面が凍結している恐れが出てくる。

 というわけで、夏用タイヤで走るときは、外気が7度以下になったら慎重に、3度以下になったら要注意で、日中の最高気温が10℃以下になるような地域は、雪国でなくてもウインターシーズンは、スタッドレスタイヤを履いていたほうが安心だ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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