樹脂パネルをつくるには手間も時間もかかる!
注目したいのは樹脂パネルが使用される部分はボディ剛性に関係ない部分ということ。フロントフェンダーというのはただボルト止めされているだけで、力はかかっていない部分。リヤハッチも簡単に言ってしまえばフタのようなものなので、高い強度や剛性が必要でもない。ちなみに同じ理屈だとボンネットにも使えるが、樹脂は熱に弱いので使用するのは難しいだろう。
加えて、製造技術が向上したというのがある。昔から使われていなかったのはこの点が問題で、鉄板はプレスで打てば一瞬で作れる一方、樹脂は型に溶かしたものを流し込んで抜いて作るため、手間も時間もかかる。これは大量生産が大前提の自動車製造では、けっこうなハンディだ。
型自体もきれいに溶けた樹脂が流れるように作らないとダメなので、この点でのノウハウも必要となってくる。それでもやはり普及が進むのは、先にも紹介したように、省燃費を進めるための軽量化が最重要課題だからだ。これからもさらに普及が進むのは確実だろう。