次世代のスタンダードになりうるモデルも!
いまやSUVといえば、クロスオーバーSUVの略称のようになっているが、もともとはフレームシャシーのピックアップトラックをベースとしたレジャービークルをSUVと呼び、そうしたテイストを乗用車プラットフォーム(モノコックボディ)をもとに生み出したモデルをクロスオーバーSUVと呼び始めたという経緯がある。
しかし、いまやクロスオーバーSUVといえば、SUVと他のジャンルの特徴を併せ持つモデルの呼称に使われつつあるようだ。また、クーペSUVの流行は、SUVが大量の荷物を積める必要はなく、スタイリッシュであることが価値になることを示した。複数のカテゴリーをクロスオーバーすることは価値を生み出すというわけだ。ここでは、そうした異なるカテゴリーの要素をミックスしたモデルをピックアップしてみた。もしかすると、このなかには次世代のスタンダードが隠れているかもしれない。
1)三菱デリカD:5
ミニバンとSUVのクロスオーバーといえば、三菱デリカD:5がいの一番に思いつく。1990年代のクロカン四駆ブーム、RVブームの頃「クロカン1BOX」や「1BOXパジェロ」と称されたデリカ・スターワゴンからの伝統はいまも健在だ。現行モデルはFFベースだが、ドライブモードに「4WDロック」を用意しているのは、そうしたスピリットの表われだ。
ちなみにデリカD:5のディーゼル車では最低地上高が185mmとなっているが、従来のルックスを守るガソリン車の4WDは最低地上高210mmを誇っていたりする。200mmを超えた最低地上高は、SUVのなかに混じってもトップクラスのロードクリアランスだ。
2)スズキ・クロスビー
1リッターガソリン直噴3気筒ターボにダイレクト感のある6速ATを組み合わせたクロスオーバーSUVがスズキ・クロスビー。そのルックスから軽自動車「ハスラー」の兄貴分といったイメージを受けがちだが、よくよく見ると全高は1705mmもあり、そのシルエットはハイトワゴンに近い。こうしたパッケージを採用した狙いは、コンパクトSUVでありながら期待以上のラゲッジ性能を実現するため。
実際、そのラゲッジはゴルフバッグを横積みにできるほど広く、またFFであればアンダースペースが深いのでベビーカーを縦に積むこともできるほどだ。それでいて、4WDについてはヒルディセントコントロールやグリップコントロールなど悪路でのアシスト機能も充実している。