ユーザーから社員が直接意見を聞ける貴重な交流の場
AOG湘南里帰りミーティングには、オーテック社員が多く参加している。オリジナルの記念メダルと革製キーホルダーの製作体験では社員がアシストしながら一緒に作ったり、エンジンの展示、オーテックとNISMO用品のチャリティ抽選会、ハーバリウムやキャンドルクラフト体験といった親子で楽しめるコンテンツを用意していた。また、オーテック各車とNISMOロードカー、ライフケアビークル、R33 4ドアGT-Rのパトカー展示など、オーナー車以外のクルマや、協賛企業も集結。
とくに人気コンテンツのひとつ、抽選で当選した人のみが体験できる元GT-Rのテストドライバーなどの社員による最新モデルや記念モデルの同乗試乗では「走り初めからオーテックモデルの圧倒的なパワーに驚いた」と興奮がおさまらない参加者の声も多く聞かれた。用意されたのはオーテックA10やオーテックA25、マーチボレロR、マーチボレロA30、ノートオーテック、リーフオーテック、セレナオーテックと希少モデルから新型車まで幅広く取り揃えられていた。
今回新たに、新車で購入してオリジナルに近い状態で長年大切に乗っている車両のエリア「ヘリテージ特別展示」のコーナーを設けたこともトピックスだ。1988年発売のシルビア コンバーチブル、1995年発売のテラノ アストロード、1998年に発売した4ドアのスカイラインGT-R 40thアニバーサリー、同じく1998年発売のエルグランド ライダーの4台が登場。車両を眺めながら、当時の思いに浸るなど参加者の注目を集めていた。
ほかにも駐車場に車種ごとに並んだクルマは個性的でそれぞれのこだわりが光っていた。そのなかでもとくに編集部が注目したクルマ3台を紹介しよう。
まずはAkiさんのスカイラインGT-R 40thアニバーサリー オーテックバージョン。GT-Rとともに育った息子さんと友人の3人で初めて参加した。「40周年記念車を探していたときに状態の良い今の愛車を見つけ、名古屋まで買いに行った」という。今でもR33のカタログや当時の雑誌を大切に保管しており、息子さんも順調にクルマ好きに育っている様子だ。
クルマはほとんどオリジナルだが、サスペンションやフロント部にマジョーラカラーのパーツを付けるなどこだわりのポイントも。「レアなクルマや愛車と同じモデルを一度に見ることができて楽しい」と里帰りミーティングを満喫していた。
続いては八王子大明神さんのノートe-POWERシーギア リミテッド ツーリングパッケージだ。今年4月に購入し、今回ご夫婦で初めて参加したという。元々はミニバンを所有していたが、ペーパードライバーだった奥さまが「クルマに乗りたい!」と一念発起し、コンパクトカーを探すことに。
ディーラーに通ううちにたまたま納車を待っていた別オーナーのシーギアにひと目惚れし、選んだそう。安全装備や高速でも安定して走れるツーリングパッケージも追加し、かなり高額になってしまったそうだが、満足している様子。先週もキャンプに行ってきたというおふたりには、シーギアのアクティブなイメージがぴったりだ。
最後に紹介するのは、みゆテックさんのセレナe-POWER オーテック。このイベントには5~6回は来ているという常連のご家族だ。
マーチNISMOから乗り換えたという奥さまがメインで使用しており、ほかにも旦那さんのステージアなど4台を所有しているという大のクルマ好き家族。元々はミニバン否定派だったというが、乗り心地の良さやe-POWERの静粛性が良かったことから購入を検討。過去に参加した里帰りミーティングで展示されていた「湘南の海と空をイメージした」オーテックブルーにひと目惚れし、セレナのオーテックブルー登場を待って今年購入した。お子さんを連れて行っても楽しいイベントであることや、クルマ好きのステージアオーナー同士の交流もできることから、里帰りミーティングに何度も参加しているという。
こうしたユーザーに感謝の気持ちを込めて開催しているAOG湘南里帰りミーティング。片桐隆夫オーテックCEOにお話を伺うと、「これまでのオーテックバージョンモデルと新しいオーテックブランド、NISMOブランドを分け隔てなく同じ当社のブランドとして大切にしたいという思いがある。車種の垣根があっても、当社のクルマだからこそ新旧のオーナーが一堂に集まり、オーナー同士の交流はもとより、スタッフがオーナーに直接意見を聞くことができる貴重な場。こうした交流によって新しいクルマづくりのヒントにつながるなど、開発現場の刺激にもなっている」という。
「今後もオーナーの皆様に楽しんでもらえるよう、工夫をこらしながらイベントを続けていきたい」と継続開催に意欲を見せていた。