次期型レヴォーグの驚くべき進化とは? 東京モーターショーで最注目だった1台をスバリストが徹底解説 (3/3ページ)

プラットフォームや安全性を向上! 心臓部にも期待が高まる

 モーターショーの現場にいると、ちょっとメリハリを利かしすぎてクドい、あるいはガンダムチックになった、などという来場者の意見も耳に入ったものの、デザインについてはおおむね好評で、多くの人に受け入れられるものになっていたと評価できる。

 ボディサイズはわずかに拡大されるようだが、現行レヴォーグ、あるいは4代目レガシィユーザーが困惑するような拡幅はなされていないという。デザイン性が高まると、視界を中心とした運転環境の変化が気になるところだが、その点についても心配ご無用。「0次安全」を重視する設計思想は必要以上に守られているという。後方視界などについても悪化や後退はしていない。

 搭載されるエンジンについての発表は、1.8リッターの直噴ターボでリーン燃焼技術を採用したという内容にとどまっており、スペックや他の排気量の存在については明かされなかったが、エンジニアが声を大にしてアピールしたのは「レガシィ/レヴォーグは新世代ごとにパフォーマンスが向上する! その期待は絶対に裏切らない!」ということなので、それを信じて待ちたい。ミッションはCVTのリニアトロニックを踏襲。もちろん大幅な改良が施され、CVT嫌いの人でも違和感のない変速フィールをさらに追求したという。AWDシステムにも新たな機構が注がれるようだ。

 新世代プラットフォームのSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)はフルインナーフレーム構造となり、第2ステージへステップアップ。極限まで歪みを抑えた高剛性ボディにより、意のままに操れる質感の高い走りを実現したとある。SGP車の走りの質の高さは現行インプレッサやフォレスターで定評があるが、この点においてもエンジニアは、従来のSGP車から予感させる動的質感とはまた別次元の高みに上ると自信満々に語っていたので、過度な期待を抱いて待ちたいところだ。

 新しいアイサイトは、広角化した新開発ステレオカメラ/前後4つのレーダーで360度センシングにより、路地での出会い頭や右左折など、これまでのアイサイトではカバーしきれなかった領域でもプリクラッシュが作動するなどレベルアップ。

 高精度マップ&ロケーターにより、人工衛星みちびきから得るデータの受信性能が上がり、自車位置をより精度高く正確に特定。高速道路形状をクルマが正確に把握できることで、カーブ前の減速や渋滞時のハンズオフ走行支援性能も飛躍的に高まるという。

 SUBARUは「自動運転」という言葉を使わず、あくまで「運転支援」。この思想も揺るぎなく継承される。新アイサイトについては、前述の発表された内容に度肝を抜かれるほどのインパクトはなかったものの、本質的な性能面の高さにエンジニアは自信を持っていた。いまのアイサイトでも定評のある制御の緻密さや自然さ、違和感のなさなど作動時の質やフィーリング面においては、他銘の運転支援システムを再び大きく凌駕してくれるものになることを期待してやまない。

 ファンの期待値というハードルはさらに高まったと言えるが、2020年の後半とされる正式発表が待ち遠しい。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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