次期型レヴォーグの驚くべき進化とは? 東京モーターショーで最注目だった1台をスバリストが徹底解説 (2/3ページ)

エアスクープも装備! 未来のクルマにもスバルらしさは健在

 今回発表されたのはエクステリアデザインと搭載エンジン、そして次世代アイサイトの簡単な概要にとどまったが、前述したファンの高い期待値に応えうるモノであると予感させるには十分だった。

 エクステリアデザインでは、近年のSUBARUが強く推進しているデザインコンセプトにブレや揺るぎがないことを証明。六連星が中央に輝くヘキサゴングリルと呼ばれる、フロントグリルの六角形から伸びるように描かれた立体造形は、航空機メーカーのDNAだと説明されて頷ける説得力に富んでいた。ヘッドライトとテールレンズには、水平対向エンジンのピストンをイメージさせる「コの字」をさらに強調。これもSUBARUが自らのアイデンティティを強めていきたいとの意思表示のひとつであり、未来のSUBARU車が進む方向性にもブレがないことが伝わる。

 さらに、ボンネット中央にそびえるエアスクープも健在。これも歴代レガシィターボ、あるいはWRXで培ったSUBARUの高性能車の象徴的な部分と言えるが、単なるスポーツイメージの訴求、あるいは古参ファンへの配慮から配置したわけでは決してない。「性能を出すために必要」との判断から踏襲されている。

 天地方向に薄い水平対向エンジンの場合、インタークーラーはエンジン上部に配置して、短いパイピングで吸気を冷やせるメリットがあり、今回もその点が重視された。フォレスターや北米向けアセントなどのSUVではピークパワーの要求値は高くないし、ボンネットの全高に余裕があるため、ボンネットにエアスクープを設けずともインタークーラーを効果的に冷やせるが、全高の低いクルマではやはり中央の穴から空気を導入する方が性能を出しやすいという。

 より大胆に、という意味を込めた「BOLDER(ボールダー)」と呼ばれるデザインコンセプトは、今年3月のジュネーブショーで初公開されたヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトで表現されたもので、これが早速市販車に反映された。ヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトはSUVの未来像である一方、各部に表現されたデザインのネタは必ずしもSUV用ではない。今回はフロントマスクの造形が次期型レヴォーグに受け継がれている。

 メインステージに置かれる次期型レヴォーグと、少し離れた位置に展示されたヴィジヴ・アドレナリン・コンセプトを同時に見比べると、小さめのヘッドライトや彫りの深いエッジの効いた顔立ちがそっくりであることに気がつくのだ。ヘッドライトは今時のクルマらしく小さくなり、世界的な流行への追従を思わせなくもないが、もちろんヘッドライト本来の機能である照射性能については万全。照射範囲の広さや明るさなど、機能面を徹底的に追求していると熱く語るエンジニアの話を聞いて、SUBARUらしさを感じた。

 また、ホイールアーチにも六角形をイメージさせる造形が施されたのも印象的だ。大胆に張り出した前後のフェンダーもあいまって、止まっていても前に走るような躍動感が感じられるところもデザインの大きなポイントと言える。


マリオ高野 MARIO TAKANO

SUBARU BRZ GT300公式応援団長(2013年~)

愛車
初代インプレッサWRX(新車から28年目)/先代インプレッサG4 1.6i 5速MT(新車から8年目)/新型BRZ Rグレード 6速MT
趣味
茶道(裏千家)、熱帯魚飼育(キャリア40年)、筋トレ(デッドリフトMAX200kg)
好きな有名人
長渕 剛 、清原和博

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