現金一括よりもローンを利用したほうがディーラーはメリット大
ローンを組む際の頭金については、購入者個々の置かれている事情が異なるので、一概に“これ”とはいえないが、フルローン(全額)はリスクが高いのは確か。“多すぎず少なすぎず”という匙加減となるので、担当セールスマンに相談して決めることをおすすめする。そして、その頭金の支払いはメーカー系クレジットカードでの支払いをおすすめする。たいていは、ポイント制度を採用しており、新車購入時にカード払いを利用するとポイント還元率が通常時の1.5倍などに増えるケースがほとんど。
トヨタ系では“使ってバック”というものがあり、トヨタ系のTSキュービックで日常生活の買い物などでカード決済すると、その利用額に応じたポイントが、新車ローンの月々の支払い額に還元できる。つまり、月々のカード利用額が多いほど、月々のマイカーローンの支払い額が少なくなるのである。
過去には、商談のときに帯封のついた札束を積んで値引きを迫るというお客もいたが、いまどきのディーラーの多くは、よほどの馴染み客でもなければマネーロンダリングや、セールスマンの持ち逃げを防ぐ意味からも口座振り込みを推奨している。扱い車種が高級車など、高額な車両が多いディーラーでは現金を原則受け付けないところも目立つ。
過去には、週末に納車が重なり、車両代金などで数百万円という額を深夜に金融機関の夜間金庫に入れたりもしていたが、いまはあらゆるリスクも考え、ディーラーとしても極力販売現場では現金は触らないようにしているのが実状となっている。高額なセダンやミニバンで、札束を積めば「このひとはもしかして……」といらぬ疑いを持たれることにもなりかねない。
新車販売の収益だけではディーラーが食べていけないいまの世の中では、ローンを組んでくれたり、付加価値をより多く与えてくれるお客のほうがディーラーにとっては魅力的に感じ、購入者にとっても得られるメリットが多いのが現状となっている。