タイヤ交換が劇的にラクになると思えるけどなぜ? レースカーやスーパーカーが採用するセンターロックナットが普及しないワケ (2/2ページ)

工具や部品代は3桁万円を超える!

 レースのように強力なトルクを誇るインパクトレンチを使えば一発で決まるが、センターロック用のインパクトレンチは、ひとつで100万円コースといわれる。人件費と特殊工具だけでも、市販車にはどう考えたってメリットはない。しかも、センターロック化するための部品代もべらぼうに高い。ランボルギーニのフロント20インチ、リヤ21インチ用のセンターロック用の部品一式で、一台分約200万円!

また安全面でも、多穴ナットのホイールなら、1本や2本(?)ナットがゆるんだり不具合が出てしまっても、安全な場所まで走行し続けることが可能だが、センターロックではナットのトラブル=即脱輪に繋がり、危険度が高い(実際、レースでもホイールが外れるシーンはときどきある)。逆にいえば、一般的な4穴、5穴タイプは、安価で、確実。特殊工具もいらないので、交換作業に苦労しない。こうしたメリット・デメリットを比較すると、当面、普通の市販車にセンターロック式が採用されることはないだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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