乗り心地やハンドリングの向上などメリット多いがデメリットも
この動くというのが重要で、よくたとえられるのがまず木の下駄と鉄下駄。鉄下駄を履いていると足を上下させるだけでもひと苦労だが、軽い木の下駄なら軽く歩くことができる。またハンマーにたとえてもわかりやすく、頭が大きな思いハンマーをひっくり返して柄の先端を持ってブラブラと揺らすと、とても振られやすい。止めるのもちょっとした力がいるほどだが、逆に軽いハンマーをひっくり返してブラブラさせても、手への負担はあまりない。
この場合の足に対する下駄と、柄に対するハンマーの頭がバネ下重量ということになる。各自動車メーカーはバネ下重量の軽減に力を入れていて、ブレーキの小型化やサスペンションアームのアルミ化、ホイールの軽量化、さらにはアームそのものをシンプルにするなど、細かい部分で重量を削る努力を行なっている。
軽いとサスペンションが動きやすくなって、路面への追従性も向上。乗り心地がよくなったり、ハンドリングがシャープになったりもする。加減速がスムースになることも。またホイールが軽ければ、ブレーキへの負担も軽減されるという効果もある。試験車や同じ車両でのホイール履き替えなどで比較して見ると、極端にバネ下重量が軽くなると、差が体感できるほどだ。
基本的にはバネ下重量の軽減はいいこと尽くめとされるが、ただ単に軽くしただけでは、軽いゆえに足まわりがバタついて乗り心地や路面追従性が悪化しかねないので、全体のバランスも重要。さらにその昔であれば、直進安定性を出すためにホイールをあえて重くすることもあった。もちろんボディを支えるための強度は確保しないとダメなど難しい。メーカー開発陣が日々努力している部分でもある。