400台に1台の割合で無車検車が走行しているといった問題も
車検時のチェック内容も、24カ月点検は受けているかどうか(受けていなくても後整備でも構わない)のほかに、ブレーキ、スピードメーター表示、サイドスリップ、下まわり点検などで、項目自体は少ない。そのため、そこだけ合わせてやれば車検自体はパスしてしまうし、すでに触れたようにその後の2年間を保証してくれるものでないので、手抜きはいくらでもできてしまう。
しかし最近増えている「お金がないし、今別に問題ないからとりあえず通すだけでいい」などというのはもちろんダメ。
さらに昨今問題になっているのが、無車検車だ。よく考えれば、ディーラーなどは営業的にユーザーの車検時期は管理していて教えてくれるが、別に強制でもない。つまり、切れてもそのまま走れることになる。
この点は国土交通省や警察も対応に動いていて、ディーラーや修理工場への情報提供依頼、目視での取り締まり、さらには移動式のナンバー読み取り機での取り締まりを実施している。少々古いデータだが、5年前の調査によると、400台に1台の割合で無車検車が走行しているという結果が出ている。台数としては約20万台にも上る。
当然、自賠責には未加入だろうし、そのような意識の低いユーザーは任意保険も入っていないだろう。整備不良の可能性も高い。冒頭で紹介したように、法律違反でもあるだけに、厳しい取り締まりなどが必要だろう。まじめに車検を受けているユーザーが馬鹿を見るという話とはまったく異なる、社会的な義務違反だ。