新たな燃費モードの審査が義務化される時に車種整理は加速する
エスティマやキューブといった、多くのユーザーに親しまれてきた車名が消えてしまうのは残念だが、効率を考えたラインアップの整理整頓は当たり前のように進められていくだろう。ブランディングへの影響もあるので売れているモデルだけに絞るというのは難しい面もあるが、実際の販売比率をみるとそうとも言っていられないだろう。
たとえば日産の国内販売は2019年9月の合計が6万1691台だった。そのうち、デイズ(軽自動車)が1万7841台、ノート(コンパクト)が1万3183台、セレナ(ミニバン)が9224台となっていた。この3モデルで国内販売の65%を占めるのだ。
ちなみに、2019年9月の登録車販売においてトップ50に顔を出したほかの日産車は、エクストレイル(3699台)、リーフ(2259台)、スカイライン(1066台)くらいのもので、これら6モデルの販売台数を合計すると日産の国内販売の75%以上。さらにいうと商用車の販売台数が7079台もある。つまり、上記以外の乗用車は合計しても販売台数の12%に満たないということで、どのモデルが整理されてもおかしくない状況だ。
さらに2020年には、そうした動きが加速する可能性がある。すでにカタログの燃費データにおいてJC08モードからWLTCモードに切り替わっているのは、ご存じのことだろう。WLTCモードによる審査は、2018年10月以降の新型車に義務付けられているが、2020年9月以降は継続生産車もWLTCモードでの審査が義務付けられる。
排ガス性能の面ではWLTCモードをクリアできるモデルであっても、全グレードでWLTCモードによる審査を受けるのは、それなりにコストがかかる。そうしたコストと販売のバランスによっては、WLTCモードへ対応しないという選択もありうる。つまり、WLTCモードの義務化が始まるタイミングで、生産終了となるモデルが出てくる可能性は高い。