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「N-BOX・タント・スペーシア」売れに売れてるスーパーハイト軽自動車は万能選手じゃない! 5つのデメリットとは (1/2ページ)

「N-BOX・タント・スペーシア」売れに売れてるスーパーハイト軽自動車は万能選手じゃない! 5つのデメリットとは

昔から大は小を兼ねると言うが……当てはまらないケースも

 今、日本でもっとも売れているクルマはホンダN-BOX。つまり、軽自動車のスーパーハイト軽である。限られた全長、全幅のなかに、まさに魔法と言っていいパッケージングによって広々とした室内空間を備え、両側スライドドアによる乗降性も抜群。多彩なシートアレンジによってさまざまな使い勝手に対応するユーティリティーも自慢のひとつだ。

 何しろN-BOXを例に挙げると、後席の居住空間は身長172cmの筆者のドライビングポジション背後で、頭上に250mm、ひざまわりに最大450mmという、ボックス型ミニバンや大型セダンをしのぐ広さを実現しているのである!

 N-BOXはもちろん、スズキ・スペーシアやダイハツ・タントなど、最新のスーパーハイト系軽自動車は走行性能や先進運転支援機能も文句なし。さらに言えば、衝突安全性能にもぬかりはない。ターボモデルを選べば、動力性能にも余裕が出て、定員4名乗車での高速走行、遠出も無理なく行えるほど。

 そうした、小さな大物的キャラクターが、N-BOXの人気の理由のひとつでもあるのだが、ちょっと待てよ、スーパーハイト系軽自動車に死角はないのだろうか? 5つの項目を中心に検証したい。

1)横風による影響

 まず、覚えておきたいのは、全高がN-BOXで1790mm、スペーシアで1800mm、タントで1755mmもある。しかし全幅は軽自動車の規格で1475mmに制限され、タイヤも細いため、高速走行時に強い横風の影響を受けやすいのも事実。セダン系軽自動車(アルトの全高は1500mm)が不安なく走れても、スーパーハイトになると直進を維持するのに気をつかうシーンも、非スーパーハイト軽自動車に対してあるということだ。もっとも、速度を落とせば大丈夫。横風による安定性も設計基準のなかにしっかりと折り込まれているからだ。

2)燃費性能

 スーパーハイト軽自動車は背が高く、両側スライドドアを採用するため、車重が重くなって当然だ。同じプラットフォーム、エンジンを使うスーパーハイト軽のホンダN-BOX GホンダセンシングとN-WGN Gホンダセンシング(FF)の車重を比較すると、N-BOXが890kg、N-WGNが850kgと、40kgも重い。

 結果、JC08モードより実燃費に近いとされるWLTCモード燃費は、N-WGNが23.2km/Lのところ、N-BOXは21.8km/Lに落ちる。スズキのスーパーハイト軽であるスペーシアと、ハイト軽ワゴンのワゴンRを比較しても、それぞれ30.0km/L、33.4km/Lと差がつくのである。そう、スーパーハイト軽自動車はその大きさ、両側スライドドア採用(構造と開口部の補強を含む)による車重増で、実用軽自動車のなかでもっとも燃費に不利な(軽スポーツカーを除く)ジャンルでもあるのだ。

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