スポーツカーの代名詞「ロータス」で愛された4気筒
3)3S-G系
3Sエンジンは80年代初めから主に90年代終わりまで使われた、トヨタの1.8リッターから2.2リッターまでの直4エンジンの2リッター版である。スポーツツインカムの3S-G系は、NAの3S-GEはデュアルVVT-i(吸排気両方の可変バルブタイミング機構)の装着などにより210馬力、ターボの3S-GTEも当時のスバルのEJ20ターボやランサーエボリューションの4G63ターボには及ばなかったものの260馬力までパワーアップされた。
さらに強靭な鋳鉄ブロックだったことを生かし(重いという弱点もあったが)、チューニングにも幅広く対応。とくにモータースポーツでは3S-GEがF3やJTCC、3S-GTEもセリカのWRC車両のほかグループCカーにも搭載され、基本性能の高さを見せた。
4)2ZZ-GE
3S-GEと4A-GEの後継的な1.8リッターのスポーツエンジンとして1999年の7代目セリカに搭載され登場。吸気側と排気側の可変バルブタイミングに加え排気側のバルブリフト量の可変機構を持つVVT-iLの採用などにより、190馬力の最高出力を発揮。7代目セリカのほか9代目カローラのステーションワゴンのフィールダーや5ドアハッチバックのランクス&アレックスに搭載されたが、セリカも含めクルマ自体のスポーツ性がそれほどでなかったこともあり、残念ながらトヨタ車では2ZZ-GEはそれほど目立たなかった。
しかし2004年から2ZZ-GEはロータスエリーゼ&エクシージに搭載されるようになり、2ZZ-GEを軽量かつスポーツカーの究極の形の1つである両車に搭載すると動力性能は大きく向上した。ただ2ZZ-GEの評価を高めたのが最後まで搭載されなかったMR-Sではなく、ロータスだったのいうはちょっと皮肉な運命でもあった。