SUVが原点回帰! 角ばったデザインが再び流行
日本人の感覚では、SUVと聞くと4WDというイメージが強いが、アメリカではFRもしくはFFという2WDが売れ筋となっている。日本でも最近は2WDのSUVがラインアップされることもあるが、アメリカでは「ロッキー山脈に住むとか特別な事情がない限り4WDは選ばない」などという冗談のような話もある。
それでも地球温暖化により、降雪地域の雪質が悪化したりもして、降雪地域での4WD需要は増えており、スバルがアウトバックをメインに強みを見せているようである。降雪地域以外でも走行安定性などをアピールし、それが需要に結びついているケースもあるようだ。
つまり、降雪地域での実用性や、どこか荒野を駆け巡るとか、アウトドアレジャーに熱心とか、そういう理由だけでSUVが選ばれているわけではなく、ファッションや、もちろん流行りで乗るというひともいるのは確かだ。そのため、コンパクトハッチバックのニーズがコンパクトクロスオーバーSUVへと移行しているようで、コンパクトハッチバックの売れ行きはいまひとつとなっているようである。
アメリカでもアクアは“プリウスC”の車名で販売されているが、ラインアップは日本でいうところの“クロスオーバー”のみとなっているなど、メーカーも消費者ニーズを敏感にキャッチしているようである。
そうはいっても、まだまだ街なかでは、セダンも多く走っており、フォードのように数年以内に原則的に乗用車の販売をやめるというのは、大英断というよりは「大丈夫なのか」という声のほうが多いような感じがする。
クロスオーバーSUVは従来からの、ヘビーデューティSUVの“泥臭さ”を排除する意味からも、丸みを帯びたエクステリアを採用。都市向けSUVのイメージを強めていたが、ここへきて風向きが変わってきたとは、地元の事情通。
「いまRAV4がアメリカでもヒットしています。メルセデス・ベンツのGLBなどとともに、角型基調の昔のイメージのデザインを採用するSUVがここへきて目立ってきています。SUVも原点回帰へ向かっているのかもしれません」。
フォードはすでに“ブロンコ”の復活を予告している。この復刻版はFFベースのクロスオーバーSUVとなるエスケープがベースとなるとされているが、見かけは往年のブロンコを彷彿させる武骨なイメージの外観になるようである。SUVがブームといわれて久しいが、昔ながらの雰囲気を持ちながら、カジュアルなキャラクターを持たせたモデルが今後は増えてくるかもしれない。