モーターショー人気復活のカギはローカルショーにあり
また、あるブランドでは、来場特典として新車購入の際500ドルのディスカウントキャンペーンを行っていたりもした。東京モーターショーのように、コンセプトカーや話題の最新型車はごく少数。既存の市販車メインの展示でお客を呼び込むのだから、新車購入と直結していなければお話にならないのは当たり前だが、東京モーターショーのように、出かけても市販車種の展示も少なければ、その場で商談したくともスペースも人員もいないではなかなか来場メリットというものは感じないだろう。
アメリカではディーラーのセールスマンとチャットで商談したり、地元密着のリアルな値引き情報も盛り込んだ見積り比較サイトなどがあり、ディーラーへ行かずに契約まで済ましてしまう新車の買い方の普及が進んでいる。今後は“AIセールスマン”がチャットでの商談を受け付ける日もそう遠くないとの話も聞く。
そのためオートショーへ出かけて実車をあらかじめチェックするというひとも多く、とくにアメリカでもクルマ離れが顕著とされる若年層の来場も目立つとのこと。
東京だけでなくフランクフルトショーも開催規模を縮小するなど苦境に立たされている。OCショーのようなローカルショーでどんなことをしているのかを、悩めるメジャーショーの主催者は見ておくのはけっして無駄ではないと考える。困ったときは“原点回帰”することで、次へのヒントが得られるはずである。