驚きの新技術目白押し! タイヤの明日が見えるブリヂストンブースは必見【東京モーターショー2019】

タイヤだけでなく新技術で世界にイノベーションを発信する!

 11月4日(月・祝)まで開催中の第46回東京モーターショー2019。日本を代表するタイヤメーカーであるブリヂストンも出展し、革新的な新技術を中心に魅力的な展示を行っている。

「一人ひとりを支える」をブランドコアとしており、これは世のなかを足もとから支えるという活動を具現化した言葉。タイヤとゴムの会社から、革新的イノベーションで社会とユーザーにソリューションを提供するという思いを伝えるべく、イノベーションとソリューションというふたつを大きな柱としてブースを展開している。

 今回、ブーステーマを具現化した3つの新技術を展示。それらについて展示物も用意し、来場者は興味津々で説明を受けている姿が印象的だった。

 ひとつ目は、SUSYM(サシム)とよばれる新素材。サシムにはSustain(持続させる)、Symphony(調和)、Symbiosis(共生)といった思いが込められた名称。樹脂とゴムを分子レベルで結合させ、完成させた新世代のポリマーとなる。

 ゴムのようなしなやかさをもち、樹脂も含んでいるため従来のゴムよりも非常に強い性質を持っている。また、樹脂とゴムの割合は自由に調整できるため、固さとしなやかさは自由に調整することが可能だ。

 たとえばタイヤに応用する場合、車体との接合部(ホイール部)は固くし、トレッド面はグリップ力を確保するためにしなやかさを与える、といった使いわけも可能になるという。

 また、液体窒素に漬け込んでも割れることなく、切ってしまっても熱を加えればまた接合するなど、驚異の性能を持ち合わせている。さまざまな応用が利き、無限大の可能性を秘めた新素材だけに、タイヤだけにとどまらず、さまざまな企業と一緒にイノベーションを起こし、サシムで社会を支えたいという思いも込められた新素材だ。

 ふたつ目は、走行中ワイヤレス給電対応タイヤだ。路面に設置したコイルから、タイヤ側に装着しているユニットで発生したエネルギーを効率よく吸収し、電気自動車などのバッテリーへ給電。そこからエネルギーを取り出し、インホイールモーターを駆動させるというシステムだ。

 路面からつねにエネルギーを回収できるため、車体側のバッテリーの大きさも最小限することができ、車両重量も軽くでき、レアメタル問題にも効果的。さらには社会全体でコストダウンにつながる可能性もあるため、次世代の電気自動車にはピッタリのシステムとなること間違いなしである。

 3つ目は、月面で活躍する有人与圧ローバ用のタイヤ。これは国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、トヨタ自動車株式会社とともに開発を進めているプロジェクト。世界の道を知り尽くしたブリヂストンが、次は宇宙に挑むという新しい取り組みの一環だ。

 月面はマイナス170度からプラス120度、昼夜の温度差が極端に大きい特殊な環境。そのため、タイヤの素材としてゴムの使用はできない。そのため、今回は特殊な金属を用いて開発した。月の表面の砂は非常に柔らかいため、トレッド面もそれに対応するべくふわふわした状態にする必用がある。さらに、巨大な車体を支えるべく、中心部は固さをもたせている。ちなみにエアレス仕様となり、タイヤのなかに空気は存在しないという。

 実現はまだまだ先となるため、あくまでも現段階での提案。今後どのように進化していくのか、非常に興味深い技術だ。

 このように、ブリヂストンが社会に貢献するためにはどうしたらよいのか? という思いが込められたブース展示となっている。このほかにも、エアレスタイヤを装着した自転車を用いたアトラクションも用意。近い将来に実現するであろう、新世代のタイヤの性能をいち早く体感できるコンテンツとなっている。

 加えて、2017年にECOPIA with ologicを装着し、Bridgestone World Solar Challengeで活躍した工学院大学 が作成したソーラーカー「Wing」や、ブリヂストンが今イチ押しの市販タイヤの展示など、ブリヂストンの“今”を感じられる展示も用意。注目したい新技術に関連したトークセッション、萩野公介選手や佐藤琢磨選手といった、夢に向かって活躍しているアスリートを交えたトークショーも開催されるという。ぜひ、会期中は東京ビッグサイト南展示棟4階南4ホールのブリヂストンブースに足を運んでほしい。

【東京モーターショー2019 ブリヂストン特設サイト】https://www.bridgestone.co.jp/corporate/event/exhibition/tokyomotorshow/index.html


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