日本ではクーペ的なシルエットのセダンが主流
あくまで推測だが、以前の4ドアクーペ・ブームを経験したことで、長く続かない一過性のムーブメントとして捉えているという面があるだろう。ルーツといえるカリーナEDにしても3世代で終わっているし、熱狂的なブームといえたのは本当にわずかな期間だ。それ以外の4ドアクーペは、ほとんどがひと世代で終わっている。
また、国産メーカーにおいては、あえてオーソドックスな4ドアセダンと4ドアクーペを作り分けずに、クーペ的なシルエットの4ドアセダンを用意するという選択をしているという風に見ることもできる。トヨタでいえば、最新のクラウンやレクサスLSのフォルムは4ドアセダンとしては流麗なルーフラインで4ドアクーペ的なニーズにも応えようとしていることが感じられる。東京モーターショーにおいてジャパンプレミアを飾る予定のホンダ・アコードにしてもロー&ワイドをコンセプトとしたスタイリングは4ドアクーペ的だ。
かつてのように4ドアセダンはフォーマル性だけを求められる時代ではない。日本車は4ドアクーペに手を出さないのではなく、むしろ4ドア車が全体的に実用性を兼ね備えた4ドアクーペ的な方向にシフトしていると捉えるとしっくりくる。