同門N-WGNの残念なトラブルでN-BOXに顧客が流れた
もうひとつN-BOXが売れたのにはホンダならではの事情が考えられます。同じく9月の販売実績を見ると、フルモデルチェンジしたばかりのN-WGNが2121台しか売れていません。これは同モデルにおいてEPB(電動パーキングブレーキ)関連のトラブルが起き、生産を止めているためです。つまり、駆け込み需要に対応できるのはN-BOXしかなかったといえるのです。
そんなN-BOXは、10月のマイナーチェンジによって先進安全装備&運転支援システムである「ホンダセンシング」に磨きをかけたほか、前席シートヒーターや後席の左右独立センターアームレストの標準装備化などにより商品力を上げています。
全面的に刷新したダイハツ・タントが迫っていますが、それでもN-BOXがリードを保っているのは既存顧客の存在もあるでしょうが、やはりちょっと乗っただけでも感じることのできる「いいもの感」にあるでしょう。軽自動車というコストに厳しいジャンルですが、コストダウンを感じさせないクルマづくりがN-BOXの人気につながっているといえます。
それにしても、このペースで売れ続けると、年度末の3月には先代モデルを含めたN-BOXとしての月販記録を更新しそうな勢いです。はたしてN-BOXを止める強力なモデルは、それまでに登場するのでしょうか。