大型トラックへの衝突被害軽減ブレーキ装備はすでに義務化! それでも装着車が広まらない理由とは (2/2ページ)

商用車の寿命が長いために装着車への乗り替えが進まない

 衝突被害軽減ブレーキ以外にも、前走車追従機能付きのクルーズコントロールや左側や斜め後方監視、GPSによるアクセルやブレーキの制御など、乗用車以上の充実ぶりだったりもする。

ただし、充実すればするほど価格が高くなるのは当然のこと。乗用車であれ、安全、そして快適はお金を出して買うという意識が高まっている流れにはなっているものの、商用車は収益にも関係してくるので、なんでもかんでも付ければいいというものでもないというのが実際。義務化以前にトラックメーカーの技術者に話を聞いたことがあるが、衝突被害軽減ブレーキは用意してもほとんど付けてくれないと嘆いていたのを今でも覚えている。

 その点では義務化は効果があるのだが、商用車の寿命は長く、大型トラックだと100万km超も珍しくなく、現状でも義務化前の車両が相当数走っているだけに、義務化で安全性のレベルが一気に上がったとは単純に言えないというのも事実だ。

 ただし、ドライバーの高齢化や人手不足など、運送業界は抱えている課題も多い。安全性のレベル向上や運転時のストレス低減などが、自動運転も含めた各デバイスによって少しでも実現できれば、それらの解消にもつながるだけに、今後の普及には注目したい。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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