日常でも実用性を備えた新たなスポーツハッチ
メルセデスAMGがコンパクトクラスのエントリーモデルとしてA 35 4MATICを登場させた。従来A 45がもっともコンパクトなAMG車として地位を確立していたのだが、A 35はよりユーザーフレンドリーな立ち位置にあると言える。
それはちょうど、C 63に対してC 43が、E 63に対してE 53がラインアップされているような関係性にあるといえる。A 35が搭載するのはM260型2リッター直4直噴ターボエンジンで最高出力306馬力、最大トルク400N・mという出力スペックが授けられている。
従来のA 45はM133型の呼称を持つ同じ2リッター直4直噴ターボエンジンを搭載されていて、現行最終型では最高出力が381馬力にまで高められていた。ただこのA 45もまもなく新型に進化させられることがアナウンスされていて搭載エンジンはM139型となって421馬力に達するとことがわかっている。
では306馬力では不十分なのかというと、さにあらず。たとえば国産の2リッター直4ターボで一世を風靡していた三菱ランサーエボリューションやスバルWRXなどはメーカー間の自主規制もあって最高出力は280馬力だった。それでも激速モデルとして君臨していたのだから306馬力なら必要十分以上の実力であるといえるのだ。
今回はその新型A 35の、600台だけ限定販売される「Edition 1」を群馬サイクルスポーツセンター(群サイ)のクローズドコースを全開で攻める。
メルセデス・ベンツ日本(MBJ)からは、メルセデスAMG GTに乗りスーパーGTレースで大活躍中の谷口信輝選手が派遣され、共に試乗することとなった。谷口選手はプライベートでもA 45を所有し、日常の足にはMBJから貸与されたGT 53を好んで使用しているという。彼のインプレッションも気になるところだ。
A 35 Edition 1は車体前後に効果的なエアロパーツが装着され、落ち着いた色調のブルーカラーで独特な雰囲気を醸し出している。ベースとなるメルセデスベンツの新型Aクラスが極めて高い完成度を示しているだけに、AMGの手により如何にチューニングされているのか二人とも興味津々だった。