ハイブリッドのe-BOXERにスポーツ性を求めた
筆者個人としては、フォレスターにMTとターボがなくなったことを今も残念に思い、寂しく感じてはいるが、市場はそうではないというのが現実だ。
ターボの代わりに搭載されたe-BOXERには、もう少し電気トルクの上乗せが欲しいとの不満もあるが、販売の半分を占める人気グレードになっているので、現行型デビュー時に開発をまとめたチーフエンジニアの布目さんが語った「ターボの代わりに新しく提案するスポーツ性を磨いた」との取り組みは奏功し、成功したといえる。
国内の競合SUVからも高出力エンジンを積んだスポーツモデルが出そうな気配もないし、フォレスターは今も独自性を保っていると評価できる部分が少なくない。
とはいえ、「よそがやらないことをやるのがSUBARUの魅力」でもあるし、世界的にはもっと高額なクラスになるとスーパーカー並みの動力性能を備えたSUVが大人気だったりもするので、未来永劫フォレスターからターボが設定されないわけでは決してないはずだ。フォレスターはこのまま大人しい実用車として終わることはないと信じたい。
今後もしばらくはSUVが世界的な人気ジャンルとして売れ続けるのは間違いなく、今やSUBARUの屋台骨となったフォレスターには、搭載されるパワートレーンの充実化や高性能化がはかられる可能性は十分にある。いずれ高性能版はSTIの限定車として登場することも期待できると信じて、明るい未来を待ちたい。