そこまで回すとエンジンが壊れる? クルマのタコメーターの「レッドゾーン」が示す本当の意味とは (2/2ページ)

レッドゾーンの下限からプラス500~1000回転で制御が入る

 じつをいうと、メーカーはレッドゾーンにもやや余裕を持たせていて、本当にエンジンにダメージを与えるような高回転までは回らないよう、レブリミッターを入れている。

 クルマによっても違いはあるが、一般的にレッドゾーンの下限から、プラス500~1000回転ぐらいのところになると、コンピュータが燃料をカットしたり、電子制御スロットルを戻したりして、それ以上回転が上がらないように制御が入る。これがレブリミッター。

 ここが本当の許容回転数の上限で、これ以上回転が上がってしまった場合は、メーカーもエンジンの保証ができなくなる。ただ、コンピュータなどを書き換えて、レブリミットの上限を引き上げたりしない限り、加速中にそのレブリミットを超えることはないので、オーバーレブでエンジンを壊すようなことはほとんどない。

 例外として、MT車でシフトダウンするときに、誤って車速に対し極端に低いギヤに入れてしまったりすると、許容回転数を越えるオーバーレブになり、エンジン内部でバルブとピストンがクラッシュして、エンジンブローになることも!(5速から4速に入れるつもりが、2速に入ってしまった、あるいは4速から3速へのつもりが1速に入ってしまったようなケース)

 またレッドゾーン未満でも、エンジンが冷えた状態で高回転まで回したりすると、エンジンにダメージを与えるし、暖気が済んでいる場合でも、高回転を多用する人ほど、エンジンの消耗は早くなる。

 しかし、レッドゾーンまではメーカーも許容している回転なので、ときどきレッドゾーン手前まできっちり回して、加速フィールを楽しんでほしい。エンジン自体も常に低回転しか使わないエンジンより、たまには高回転まで回したほうが、軽やかにまわり、調子のいい状態になるので、レッドゾーンまでは安心して(?)使ってOKだ。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

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