小型じゃないクルマでも小回りが利くモデルはある!
意外なのは、2シータースポーツカーのロードスター。大径タイヤを履いていながら、最小回転半径は4.7m~とコンパクトカー並みなのだ。狭い山道をスイスイ、気持ち良く曲がり、攻められるのは、そんな小回り性能も効いているわけだ。
ところで、今や日本の国民車ともなっているプリウスの最小回転半径は5.1m~。老若男女、運転スキルにかかわらず、多くのユーザーが走りやすさに満足、納得していると考えれば、小中型車で5.1~5.2mなら、走りやすさ、曲がりやすさともにまったく問題なし、ということだろう。と、書いていて、びっくりしたのは生誕50周年を迎えたフェアレディZ の5.0m! 全長4240mmとショーティーなボディサイズ、FRレイアウトとはいえ、太いスポーツタイヤを履いていながらそうなのだから、あらためて驚かされる。
そうそう、フェアレディZ 同様、駆動方式がFRだと小回り性に有利なのだが、クラウンは歴代、小回りが利くことで有名。全長4910×全幅1800mm、ホイールベース2920mm、17~18インチタイヤ装着で5.3m~という親切極まりない最小回転半径なのである。全幅1800mm以下と小回り性の良さは、クラウンが譲れない、ユーザーフレンドリーな決まり事、と言っていい。
注意したいのは、同じクルマでも、装着タイヤサイズによって、いきなり最小回転半径が大きくなるクルマがあること。一例を挙げれば、大人気のシエンタ。標準の15インチタイヤなら最小回転半径5.2mと小回り性はなかなかいいのだが、一部グレードにオプション設定されている16インチタイヤを装着すると、乗り心地は硬くなるわ、いきなり最小回転半径がなんとアルファード&ヴェルファイアと同じ5・8mになるなど、いいことなし。ぜひ、標準サイズのタイヤで乗っていただきたい。これは、基本骨格が16インチタイヤを想定していないから。大径タイヤだと目いっぱい切ることができず、そうなってしまうのだ。
最後に、国産乗用車でもっとも、最小回転半径の大きいクルマと言えば、レクサスLS500h 4WDの6.0m! である。トリビアとしては以前、陸上自衛隊用に開発されたトヨタのメガクルーザーは、全長5090×全幅2170mm、ホイールベース3395mmにして、最小回転半径は5.6m!! と、自衛隊御用達だけに、機動力抜群なのである。