スーパーカーは純粋に走りの楽しさを追求するモデルではない
2)スーパーカーを望むユーザー層の大きな変化
かつてスーパーカーというと「クルマひと筋だった人がクルマ人生のゴール」として買うケースも多かった。そういった人であればいろいろなクルマを乗り継ぎ、経験も積んでいるため、運転技術も相当高いと想像できる。しかし、現在のスーパーカーユーザーはそのような層に加え、「富裕層のキャラクターシンボル」として乗っている人も少なくない。後者のようなユーザー層であればATを求める人も多く、需要に対応してスーパーカーのトランスミッションがATばかりとなっているのも当然だろう。
個人的にスーパーカーというのはスポーツカーよりもドライビングプレジャーというプライオリティは小さく、その代わりに美しいスタイルやそのクルマならではの世界観を与えてくれるジャンルのクルマだと思う。といったことを考えると、シフト操作も含めドライビングプレジャーを追求したいというなら、日産フェアレディZやポルシェ・ケイマンあたりのミドル級のスポーツカー(このクラスでもMTは珍しくなっているが)に留めるほうが、スーパーカーを買うよりも賢い選択なのではないだろうか。