オーナーレベルではガソリン車と変わらない
1997年12月に世界初の量産ハイブリッドカーである初代プリウスがリリースされてから早20年以上。今では軽自動車からミニバン、スポーツカーに商用車に至るまで、ハイブリッドシステムを搭載したクルマが存在しており、もはや特別なクルマ感はすっかり薄れてしまった感覚がある。
とはいえ、一般的な内燃機関(エンジン)だけを搭載しているクルマに比べてはるかに複雑な機構を持っているハイブリッド車だけに、エンジン車とは異なるメンテナンスが必要なのだろうか?
この質問に関しての答えは個人レベルなのか、工場レベルなのかによって変わってきてしまう。個人ユーザーレベルでできるメンテナンスと言えば、運行前点検や定期的なオイル交換、定期点検の入庫辺りが代表的なものであり、これはエンジン車と比べてもやることに変わりはない。
一方、メンテナンスを請け負う工場側としては、ハイブリッドシステムの点検が必要になってくる。それはバッテリーであったり、モーターであったり、インバーターであったりとさまざまだ。と言っても、この辺りも長年の経験や目視で状態を判別することは難しく、一般的には専用の診断機を用いてのチェックが基本となる。
もちろん、致命的なトラブルが発生した場合は警告灯が点灯し、ユーザーに異常を知らせてくれるが、ちょっとバッテリーがヘタってきたレベルの劣化ではなかなか判別がつかないというのが正直なところである(燃費が少し悪化するとか、EV走行できる距離が短くなるといった症状は出るが)。
とはいえ、ハイブリッド車がエンジン車よりも早くダメになりやすいかというと、もはやそんなことはないと言ってしまってよいだろう。先代の30系プリウスやアクアなどを見ても、10万キロオーバーでもまったく問題なく元気に走り回っている個体はたくさんある。
確かにハイブリッドシステム周りにトラブルが発生してしまったときの費用はエンジン車よりもかかるかもしれないが、そうなるまで走れたならクルマとしても十分天寿を全うしたと言える距離になっているハズだ。