なぜエンジン車には不採用? 日産スカイラインが手放し運転可能な「プロパイロット2.0」をHVのみに搭載したワケ (1/2ページ)

DASはわずかな修正舵ではステアリングを動かさない

 スカイラインがマイナーチェンジでハンズオフ(手放し)運転が可能なADAS(先進運転支援システム)である「プロパイロット2.0」を初採用したことが話題となっています。そもそも現行スカイラインは、そのデビュー時に「ダイレクトアダプティブステアリング(DAS)」を初搭載するなど、テクノロジーショーケースとしてのキャラクターもあるわけですが、それにしてもハンズオフでの高速走行というのはインパクト大といえるでしょう。

 さて、スカイラインに搭載される「DAS」というのは、いわゆるバイワイヤの操舵系。通常はステアリングホイールからタイヤまでが機械的に接続されているわけですが、バイワイヤということは電気信号に置き換えられているのです。日産の説明を引用すれば『ステアリングの動きを3つのステアリングECU(電子制御ユニット)が電気信号に置き換え、ステアリングアングルアクチュエーターを作動させてタイヤを操舵』するシステムです。

 ステアリング系がバイワイヤになっているということは、たとえば微小な修正舵を当てているときにステアリングは動かさないことで、ドライバーにはビシッと直進しているように感じさせることもできますし、パーキングなど微低速時にはステアリングの操作量以上にタイヤを動かすことも可能です。当然、高速道路でのハンズオフを可能にした運転支援システム「プロパイロット2.0」においては「DAS」の存在というのは切っても切れない関係といえます。わずかな修正舵ではステアリングホイールを動かさないことは、ドライバーの安心感・信頼感につながります。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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