トヨタ初の市販車は1404台が生産されるもオリジナルは現存せず!
今や全世界でさまざまな車種を展開する日本の自動車メーカーだが、今回は、そのメーカーたちが初めて世に送り出したクルマに注目してみよう。各社のルーツを辿りながら、それぞれのメーカーが最初に発売したクルマをピックアップ。今回はトヨタと日産自動車を取り上げたい。
トヨタ:トヨダAA型
A1型という試作車を1935年(昭和10年)に完成させ、翌年にAA型として発表されたのが最初。全長は4785mmで、全幅は1730mmだったから、当時としてはけっこう大きかった。エンジンも自製となるA型エンジンで、試作と生産品の性能差に泣いたが克服して量産化にこぎつけている。3.4リッター直6OHVで、シボレーをコピーしつつオリジナル技術も投入したものだった。
最終的には1404台が作られたとされ、戦争の激化により、1943年(昭和18年)に生産は終了された。
トヨダという車名は当初のみで、トヨタのほうが8画で縁起がいいことなどから車名を変更。さらに大量生産を目指すべく、現在の豊田市となる挙母町に広大な土地を購入して、大規模な工場を作ったのも特筆すべきだろう。
肝心の現存車はなく、トヨタ博物館にあるのは復元車だ。正確にはロシアに残っているとされるが、トヨタ博物館の学芸員が確認したところ、「恐らくAA型ではあるが、元に戻せないほどの状態だった」とのこと。