コネクティビティの発展によりパッケージが重要になる
こうした技術要件が整った上で、BMW1シリーズのFF化には、さらなる理由がある。それが、オシャレ感覚だ。
このオシャレ感覚には、普段生活のなかでの利便性が深く関わる。1シリーズはBMWのエントリーモデルだ。より多くの人にBMWテイストを広めたい。しかも、BMWとしても新しい商品戦略をトライしたい。
クルマにおける利便性というと、最重要視されるのが車内空間の広さだ。そうなれば当然、FFというパッケージが頭に浮かぶ。FFを前提に、さらに利便性を考えると、コネクティビティサービスの充実に結び付く。
もちろん、BMWはこれまでコネクティビティサービスを拡充する過程で、FRかFFかという車体の基礎設計に対する考慮をしてきたわけではない。だが、2020年代前半には第五世代通信(5G)が世界市場で導入されることが決まっており、クルマにおけるコネクティビティサービスは日常生活と積極的にシンクロする時代が来るだろう。
そうなると、車内が運転する空間から、生活の一部へと徐々に変わってくるかもしれない。なんだか理屈っぽく聞こえるかもしれないが、コネクティビティサービスを介して、社会とクルマとの関わりが大きく変わってきたいま、車内空間の定義も変わりそうだ。そんな、新しい時代とBMWとを結びつけるのが、新型1シリーズの使命である。