ホンダイズムが炸裂! ユニークなコンセプトや技術のクルマ多数
5)シビックSiR
VTEC自体はすでに他車に採用されていたが、シビックに積まれたのは衝撃的だった。ピーキーなCR-Xもよかったが、シビックはそもそも大学生のデートカー的な存在だったし、気軽に楽しめる感はこちらのほうが上だった。パンチのある吹けと、タックイン強めの足まわりなど、実用性もありつつ、走りを存分に楽しめた。もちろんその後のタイプRシリーズへとつながっていくモデルだ。
6)CR-X デルソル
2代続いたCR-Xの3代目がこれ、と言われたときに腰が抜けた。それまでの硬派なFFスポーツというのはナリを潜めて、気軽な2シーターに変身。当時、開発者に聞いたところ、時代によって進化するものだという、言い訳的なことを言っていたのを覚えている。
もちろんトピックスは複雑に動く、電動トランストップ。今のようなスマートなメタルトップではなく、ルーフを別のステーが迎えにきて、収納して引っ込むといった、非常にユニークな仕組みだった。
これだけでも、デルソルの存在価値は十分にあったとも言えなくないが。ただしよく壊れたが(壊れると手動で操作可能)ホンダらしい、とりあえず面白いもの出してみたという典型のクルマだ。
7)シティ
実用性もさることながら、コンセプト、デザイン、そしてマッドネスを起用した広告戦略までも前代未聞だっただけに、登場時は衝撃的だった。
またホンダらしく走りに振った、ターボも追加されたのも注目で、ブリスターフェンダー装備のターボIIはブルドッグの愛称で呼ばれた。ピニンファリーナが手がけた、カブリオレも話題になった。
以上、7台をあげてみたが、もちろんほかにも選びきれないほどある。ユニークなRVが続々と登場したクリエイティブムーバーシリーズ。天童木工のウッドパネルにこだわり、2リッターV6に採用したウイングターボ、ニュルで走りを煮詰めたレジェンドや、直5のインスパイアなどのセダン群も魅力的だ。いずれにしても、ユニークなコンセプトや技術ばかりで、まさにホンダイズム炸裂だった。