メーカー設定の基準値にピタリと合わせるのは困難……
これら、3種類のホイールアライメントには、メーカーが設定した基準値がある。
たとえば、スカイラインGT-R(R32)の場合、
トーイン(mm)=フロント1±1 リヤ2±2
キャンバー(度)=フロント-0°55‘±45’ リヤ-1°05‘±30’
キャスター(度)=3度40‘±45’(フロントのみ)
というのが新車時の設定。アライメントは3つの要素がそれぞれ複雑に影響しあっているので、基準値どおりにピタリと合わせるのはかなり困難……。そこでメーカー側も「±45‘」といった具合に一定の幅を持たせて、このなかに収まれば、きちんと性能が発揮できるように設計している。
しかし、タイヤを強く縁石にぶつけてしまったり、脱輪させたり、サスペンションを交換して車高が変わったり、事故を起こしてしまったりすると、このホイールアライメントが狂ってしまう。これによりハンドルがぶれたり、真っ直ぐ走らなくなったり、ハンドルのセンターがずれたり、タイヤが偏摩耗したり、ブレーキで不安定になったり、燃費が悪くなったりする。
こうした症状が出たときは、足まわりの専門店でアライメントを測定・調整してもらうことが必要。とくにタイヤが片減りしたり、ハンドルのセンターがずれてしまったようなクルマは、早急なチェックがオススメ。費用は1万5000円~2万円といったところが目安となる。
サーキットを走ったり、モータースポーツでタイムを追求する場合は、そのためのアライメントの数値があるので、そうした目的を絞ったセッティングを望む人は、タイムアタックのためのノウハウを持ったショップで相談してみよう。