安全のためにも正しいドラポジを確保する機能は必須
7)ガソリン車の蓄冷エアコン
ストロングHVやEVのような電動車のエアコンはインバーター方式で、エンジンの駆動を利用せず、エアコンが働く。ゆえにアイドリングストップ中でもエアコンから冷風が出てくれる。しかし、ガソリン車のエアコンは、アイドリングストップ中はコンプレッサーが切り離され(バッテリー上がりを防ぐため)、送風状態になるのが普通だ。今年の夏も暑さ全開で、アイドリングストップ機能付きのガソリン車は、思わずアイドリングストップ機能を停止したくなるほどだった。
しかし、スズキのエコクールのような、アイドリングストップ中でも蓄冷材内蔵のエバポレーターを採用することで、一定時間、冷風が出て、室内を感的温度に保ってくれる例もある。夏、快適、安全なドライブを楽しめためにも、ガソリン車に蓄冷式エアコンを採用してほしい。
8)チルト&テレスコピックステアリング/シートハイト調整機能
事故に直結する運転疲労を軽減するには、長距離、長時間の運転では、まずは正しく適切な運転姿勢をとることが重要。そうするだけで、運転操作が楽で確実になり、疲れにくくなる。が、あらゆる体形のドライバーそれぞれが最適な運転姿勢をとるためには、ほとんどのクルマに備わるシートの高さ調整とともに、ステアリングを上下に調節するチルトステアリング機構だけでなく、前後に調整できるテレスコピック機能が必要。
たとえば、マツダ3は骨盤を立てるシート設計を行うとともに、チルト機能に加わるテレスコピック機能の調整幅を先代比で前後に10mmずつ拡大。合計70mmもの調整が可能になり、理想的なドライビングポジションと、頭部が揺すられない、最高の運転感覚を実現している。
9)スマホ充電用ソケット
今ではほとんどのドライバーがスマートフォンを愛用し、車内でもナビ機能や音楽を連動させていたりする。ゆえにバッテリーの減りも早まるわけだが、その充電に不可欠なソケットの装備もまた標準すべきアイテムだろう。かつて、シガーソケットがどんなクルマにも付いていたように! それも前席にふたつ、後席にもひとつ以上あれば完璧。
グループB(できれば付けてほしい)
10)車内温度計
個人的には絶対必要と思っている、しかし現時点で量販車にほぼ採用されていないのが、車内温度計。外気温度計は多くのクルマに装備されているが、これは各自動車メーカーの開発陣に聞いても、採用する予定すらないものだ。
しかし、考えてほしい。夏に後席に子供やペットを乗せている時の後席の室内温度が、前席よりずっと高いことを! メインのエアコン吹き出し口がある前席にいれば、冷風が直接届き、たとえば28度でも、エアコンの風が届きにくい後席は30度、いや35度に達していることもある。
わが家では愛犬を後席以降に乗せているのだが、今は社外アクセサリーの車内温度計のセンサーを愛犬の乗車位置近くに設置。その室内温度を運転席でモニターしている。前席では気づきにくい、子供や愛犬の乗車場所の室内温度が高すぎる場合は、風通しをよくし、エアコンの温度設定を低めるなどの対処も可能になるというわけ。尋常じゃない暑さの日本の夏。後席に乗せて、「暑い」と言えない子供やペットを乗せている人にとってじつに有用だと思えるのだが……。
じつはそのアイディア、かつて、インターペットというイベントにホンダアクセスが初出展したコンセプトカー「フリードドッグコンセプト」で採用してもらっている。
11)コネクティッドサービス/オペレーターサービス/ヘルプネットSOSコール
最後に、多くの新車に採用してほしいのが、コネクティッドナビ装着によるコネクティッドサービス、オペレーターサービス。今では多くのクルマにヴォイスコントロールが装備されているが、こちらは走行中、オペレーターに専用通信器で接続し、装備の使い方、近隣のお薦めスポット、飲食店、病院、自動車修理工場などを案内してもらえ、なおかつ遠隔操作でナビに目的地を入力してくれたりするサービス。ものすごく便利である(走行中、基本的にナビ操作ができないため)。
あおり運転を受けたときなどの緊急時にも、警察への取り次ぎを行ってくれるなど、極めて心強い。最大のポイントはGPSによって、オペレーターが自車の位置を把握できているということ。さらに、最新型のレクサス、クラウン、プリウス、RAV4、そして日産デイズなどにもオプション設定される緊急自動通報システムのヘルプネット=SOSコールも、大きな安心をもたらしてくれる。高齢ドライバーが急増し、あおり運転被害が頻発する時代の、360度ドライブレコーダーと並ぶ、最強の安心機能装備となるだろう。