海のある県のほうが安いという定説は崩れる傾向
地域ごとのガソリン価格の差は、製油所・油槽所からの距離と、地価、人件費、そして需要と供給、つまり価格競争の有無で決まる。
原油は海外からタンカーで日本に輸入され、港のそばの製油所でガソリンに精製される。そこから油槽所に運ばれ、タンクローリーで各地のガソリンスタンドへ。だから、港から遠い県=海のない県は、その輸送コストがかかるぶん、ガソリン代が高くなると言われているが、今回の調査で最安値だった埼玉県には海がない……。反対にワースト5位までの県には、いずれも海も港もあるので、やや定説が崩れてきたのかもしれない。
また、昨今全国各地でガソリンスタンドの廃業が目立っており、すでにピーク時の半分にまで激減している。そのためガソリンスタンドの密度も、都道府県ごとに開きがあり、そうしたことも価格に反映されてきているのだろう。
なお、全体としては5週連続の値下がりが続いており、世界的に経済成長が鈍化して、石油需要が低迷するという見通しから、今後も年内は原油価格が上がる気配はなさそうだ。