最新のJPNタクシーも採用するが……市販車から視認性の高い「フェンダーミラー」が消えたワケ (2/2ページ)

いまのクルマのデザインには合わない!

 それでもフェンダーミラーが消えたということは、要するに需要がなかったということ。割高で、しかも選ぶ人がいなければ、メーカーもわざわざ作るわけがない。実際、いまのクルマにフェンダーミラーをつけるとなると、明らかにデザイン的にミスマッチで、それをあえて選ぶ人はよほどフェンダーミラーにこだわりがある人だけ。当然かなりの少数派だろう。

 かつては初代のホンダ・シティのように、フェンダーミラーのあのステーの長さが、魅力的なデザイン要素になったクルマもあったが、あれは例外。

 オーテック・ザガート・ステルビオのように特殊なフェンダーミラーを持ったクルマもあったが、あそこまで凝ったフェンダーミラーをつけても……。

 ではなぜタクシーだけはフェンダーミラーが残っているのか。これも諸説あるが、タクシーの場合、屋根の上にのっている「行灯」(あんどん=社名表示灯)とともに、フェンダーミラーがタクシーのシンボルになっていることが大きいからだ。

 余談だが、フェンダーミラーのほうが視認性がいいと言われているが、バブルの頃のタクシーは運転が荒いドライバーが多く、その頃、バイクに乗っていたライダーは、お客を見つけたタクシーに幅寄せされ、ヒヤッとした経験が多い。そうした経験から、フェンダーミラーは視認性がいいと言われても、いまひとつ信用しきれない元ライダーも少なくない……。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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