排気量が小さいクルマでは増税後のほうが得するケースも
たとえばトヨタ・プリウス Sの場合、消費増税によって税込み価格が4万7500円高まる。一方、自動車税はエンジン排気量が1.8リッターだから、消費増税後は今よりも年額3500円安くなる。13〜14年にわたって使えば、消費増税額を自動車税の引き下げで取り戻せる。ただし期間があまりにも長いので、消費増税前に買う方がトクだ。(写真はA プレミアム)
損得勘定に大きな影響を与えるのは、自動車税の引き下げ額が排気量の小さな車種ほど増えることだ。1000cc以下の排気量は、年額4500円が軽減されて2万5000円になり、1001〜1500ccは4000円減って3万500円、プリウスの属する1501〜2000ccは、3500円減って3万6000円という具合だ。排気量と税額の少ない車種ほど引き下げ幅が大きいため、1000cc以下の排気量は自動車税が15%も安くなる。
たとえば直列3気筒1リッターエンジンを搭載するトヨタ・パッソX・Sの価格は、消費税率が8%の今は124万2000円で、10%に増えると126万5000円だ。つまり2万3000円値上げされる。その一方で、2019年10月1日から1年間は環境性能割が非課税だから、現在納めている自動車取得税の2万3200円は納める必要がない。この金額は消費増税額の2万3000円とほぼ同額だから、相殺されると考えて良い。そうなると自動車税が年額4500円安くなるぶんだけ、消費増税後に購入した方がトクになる。
(写真はX“L Package”S)
損得勘定の分岐点は、フィット13G・Lホンダセンシング、ヴィッツ1.3Fなど、車両価格が150〜160万円で、1.5リッター以下のエンジンを搭載する車種だ。これらのコンパクトカーなら、仮に消費増税後に購入しても、3〜5年ほど所有すれば自動車税の引き下げなどによって出費が消費増税前の購入と吊り合う。その後も長く乗れば、自動車税の軽減分だけトクをする。
正確にいうと、クルマの価格だけでなく、販売会社が受け取る法定外諸費用などの消費税率も10%に増える。それでも排気量が1.5リッター以下で価格が160万円程度なら、消費増税後に買ってもさほど損にはならない。この分岐点を超えるクルマは、消費増税前に買うのが得策だ。