スマホナビも後付けナビも消える? 最新のクルマに純正ナビが必須になる「道案内以外」の理由 (1/2ページ)

ナビのデータを使いコーナー手間で減速する仕組みの搭載車も

 カーナビの未来予測や最適な選択を考えるのは非常に難しい。スマートフォンのアプリを使うと地図データが最新かつプローブ情報も使えるので便利という意見もあれば、カーAVメーカーが作るナビシステムは多機能で使いやすいという見方もある。しかし、自動運転に向かっていくとするならば、カーナビは純正品一択となる可能性が高い。その理由は、自動運転では車両制御と地図データは切っても切れない関係になるからだ。また、セキュリティの面からも後付け的なデバイスを利用するというのは考えづらい。

 さて、ナビと車両制御が連携するというのは未来の話ではない。すでに実装されている機能である。そのルーツといえるのがトヨタの「NAVI・AI-SHIFT」だ。1998年に誕生した高級セダン「プログレ」に初採用されたこの機能は、地図データによりカーブや交差点に近づいていることを検知すると、シフトダウンしたりシフトホールドしたりとスムースな加減速につながるようなシフト制御をするというものだった。

 さらに地図にはない勾配のデータは車両側センサーにより演算して検知するという工夫もなされていた。この制御は、マークIIやクラウンなどにも展開され、トヨタ車ではお馴染みとなっていく。

 その後「ナビ協調シフト」など地図データに合わせてシフト制御を行なう機能はどんどん洗練されていった。分岐・合流地点ではシフトダウンによりエンジンブレーキを強めたり、加速を維持するシフト制御をしたりといったことも可能になっていった。その進化における現時点の最高峰といえるのがレクサスLSに搭載されているACCとナビデータの協調制御だろう。ACCでの走行中にコーナーが近づくと、エンジンブレーキを強めるシフト制御を行ない、車線維持ステアリングも地図データとリンクするほどだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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