生産台数が調整されるのは当然?
今回の決算では、生産調整についても触れた。生産台数を減らして、工場の稼働率を上げる。具体的には、2018年時点の700万台強から2022年には650万台程度とすることで、稼働率は69%から89%まで引き上げる。
これに伴い、グローバルで1万2500人規模の人員削減を行なう。こうした販売と製造の適正化は、ゴーン体制の大幅見直しだといえる。ゴーン体制では、より多くのクルマを売ることを第一とした規模拡大路線が主体だった。
だが、モデル開発についてはモデルチェンジの期間が延びるなど、クルマそのモノの魅力が重要視されないような印象すらあった。今回の営業利益・前年同期比98.5%減という数字は、人員削減に伴う経費などによる、日産が次世代へと進むための一時的な落ち込み、という見方が多い。
一方で、ルノーやFCAとの事業連携をミスれば、日産ブランドに対するイメージダウンも避けきれず、2019年第二四半期でも前期比大幅減となる危険性もある。日産はいま、第二創成期と表現できるような、事業展開の大きな岐路に立っている。今回の決算内容が、その証明だと感じる。