最初の人気がウソのように販売台数が減ったクルマも
3)ホンダS660
軽自動車のスポーツカー、S660は納期が長かった。2015年に発売されたあと、最長では1年4カ月近くまで遅延した。1カ月の販売計画が800台と少なかったこともある。
開発者に増産しないのかと尋ねると「生産設備を増やせば、その生産ペースを将来も維持しなければならない」と返答された。販売店からは「おそらく2年も経過すれば、受注が下がり、待たなくても普通に買えるようになるだろう」という自嘲気味の声も聞かれた。
そして2019年上半期の1か月平均販売台数は273台で、月販計画の800台を大幅に下まわる。納期も2カ月程度に短縮された。
4)トヨタ86
トヨタ86は、2012年の発売直後に、納期が最長で約7カ月まで伸びた。しかし1か月の登録台数が1000台を超えたのは、発売後1年程度に限られる。その後は1000台以下に下がった。今は300〜400台で推移している。
一般的にいえば登録台数は少ない部類だが、スポーツカーとしては手堅い。販売店によると「定期的に86を乗り継ぐファンのお客様も多い」という。生産規模が小さいこともあり、今でも納期は4カ月と長めだ。
5)トヨタMIRAI
MIRAIは燃料電池車だから、生産規模が極端に小さく、2014年の発売当初は納期が約2年に伸びた。企業や自治体の需要も多かったからだ。
ところが水素を供給する水素ステーションの拠点数が限られることもあり、ひと通り納車が終わると、需要は一気に減った。
販売店に納期を尋ねると「4カ月程度だが、一定ではなく伸びたり縮んだりする」という。それでも以前に比べると大幅に短縮された。登録台数は1カ月当たり50〜60台で推移する。