乗車前にエンジンをかけずとも車内を冷やしてくれるクルマもある
令和初の夏はいつになく暑い、暑い。36度はもはや当たり前、40度を超える地域もあるぐらいで、車内で熱中症を発症することもあるのだから、暑さは怖い。暑さが苦手なボクとしては、暑さを避けて生活する……のはこの際やめて、夏の暑さのなかでドライブするのに効果的なクルマ、装備を探すべく、いろいろなクルマに試乗してみたのである。その結果、これは暑さ対策に効果的! と感じた装備を6つ、紹介したいと思う。
1)リモートエアコンシステム
一番、効果的と思えたのが、2009年にトヨタのハイブリッドで実用化した、リモートエアコンシステム。リモートキーのA/Cスイッチを押すことで、遠隔でクルマのエアコンを作動。バッテリーの電力で、あらかじめ車内を冷やして(暖めて)おくことができる。試した最新のプリウスPHVの場合、起動時間は最大約10分(バッテリーの充電量による)。充電接続中なら、バッテリーの消費電力を抑えながら利用できるのだ。また、スマホアプリPocket PHVを使えば、3段階の温度設定なども可能。ポイントは、ガソリン車に後付けするリモコンスターターと違い、エンジンをかけずに静かに、排気ガスなしにエアコンを作動させられること。
2)シートベンチレーション
この夏、大活躍してくれたのが、シートベンチレーション。ボルボやトヨタなどのクルマの一部に採用例があるが、シートに穴の空いたパンチング表皮を用いた、エアコンの冷風が体を通り抜けるような、吸い込み式のシートベンチレーションだ(シートから冷風が出るわけではない)。
おかげで、炎天下に駐車し、熱くなったシートに座っても、すぐにシートの座面、背もたれが涼しく感じ、冷感効果とともに、汗を抑えてくれる効果がある。実際に使ってみて分かったのは、シャツの背中やパンツの太股部分の、汗と摩擦によるシワも低減されるということ。暑がりの人にはもちろん、オシャレさんにもお薦めの装備である。ただし、装着車種はリモートエアコンシステム同様、かなり限られますけどね……。
3)蓄冷式エアコン
軽自動車にも付いている、けっこう効果的な装備(機能)が蓄冷式エアコンだ。今ではアイドリングストップ付きのクルマが多いけれど、HV、PHV、EVのような、エンジンに頼らないインバーターエアコンを備えていないガソリン車の場合、アイドリングストップするとエアコンは送風モードになってしまい(エンジンによってエアコンのコンプレッサーを作動させるため)、冷風が出てこない。いっそ、真夏のドライブではアイドリングストップ機能をOFFにする、という荒技もあるが、蓄冷式エアコンなら、一定時間(スズキの場合、信号待ち時間を想定しているという)とはいえ、冷風が出てくるから快適である。