普通のクルマよりも乗りやすいことに驚いた!
装備についてお話を伺っているとラリーカーらしい部分がよくわかったのだが、このWRX S4、運転席に乗り込むと、私が思っていたラリーカーのイメージとはだいぶ異なっていた。たとえば、2ペダルのCVTであること。もちろんパドルシフトがついているので、マニュアルモードで走行することもできる。確かに2ペダルは便利なのだが、競技車両はMTというイメージがあるのでちょっとビックリ。
走り出してみると、想像していたよりもずっと乗り心地が良いことに気がついた。じつは私自身、サーキット仕様のクルマに乗る機会があるのだが、その手のクルマに装着される硬いサスペンションがラリーカーにも使われていると思っていた。だが、実際に乗ってみるとハードなグラベルコースでも衝撃を減らすため、けっこうソフトな仕様になっているようで、思っていたよりも快適。
快適装備でいうともうひとつ、スバルの運転支援システムであるアイサイトの機能が残されていたことにも驚いた。これは国沢さんのこだわり。確かにこの機能があれば、移動区間(リエゾン)で役に立ちそうだ。
ラリーカーならではの特徴ともいえるのが、車内で聞こえるさまざまな音だ。車内は後部座席や遮音材を取り除いているため、ロードノイズや試乗時に急に降り出してきた雨の音、何かをひきずっているような音(これはブレーキから泥を落とすためのスクレーパーから発生したものだった)などがよく聞こえた。最初は音にびっくりしてしまったが、ラリーカーとしては当たり前とのこと。じつは何かを壊してしまったのかと思い、少し焦ってしまったが、それを聞いてホッと胸をなでおろした。
驚くことに全体的な印象としては、普通のクルマよりも乗りやすかった! 安定感と、どこまでも走っていきたくなるほどの加速感が心地よい。一通りの撮影を終えたあと、1人で「もう少し走ってきます!」とドライブを楽しんでしまうほど。確かに国沢さんのいう通り、日常的にも乗りたくなるクルマという意味がよく理解できた。
いよいよ8月22日(木)〜25日(日)に開催されるラリー・ドイツが目前に迫ってきた。次回はついに国沢さんがドイツで大暴れ! そしてラリー初心者篠田を待ち受けるものとは? 果たして結果は……次回もお楽しみに!